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2017.08.10

双曲線とテーブルクロス

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 ローダン・シリーズのリブート版、「ローダンNEO」がついに出版された。7月から来年2月まで毎月1冊ずつ、第1シーズン全8巻が刊行される。ローダン・シリーズ初期の頃の話を、古くなった設定を現代風にアレンジして語り直すものということで、大変期待している。
 オリジナルのローダン・シリーズは世界最長のSFシリーズであり、日本版は一昨年に第500巻を突破した。売れ筋のシリーズとしてハヤカワ文庫SFの売り上げをを支えている。
 しかし、最近心配なのは、新規の読者を獲得できていないきらいがあるということである。長く続くということはそれだけ人気があり面白い証拠なのだが、逆にその長大さが途中参加を躊躇させる要因となっている。この事態には危機感を覚えずにはいられない。売れている現在はまだ大丈夫でも、固定読者が高齢化していくに従ってジリ貧となり、いずれは刊行が中止されてしまうのは目に見えているからだ。これはハヤカワ文庫SF、ひいては日本のSF出版全体を左右する重大事だと考える。
 昔は新規読者を獲得する仕組みがあった。100巻や200巻、300巻が刊行された際にはお祭りムードがあった。新聞やテレビなどでも取り上げられて注目されたし、『ローダン・ハンドブック』等の記念出版物が刊行されたりした。この出版物は、途中参加者むけの便利な入門書としての機能もあった。だが、400巻と500巻の際には、マスコミの取り上げも少なく、ハンドブックはついに出版されずじまいだった。
 特に第500巻『テラナー』は大きなターニング・ポイントであり、新規読者を獲得するにはまさに千載一遇のチャンスであったのだが、ほぼ何のキャンペーンも行われなかった。これには実に歯がゆい思いをさせられた。
 そんな早川書房が今になって本気を出してきたのが、この「ローダンNEO」なのである。著名なイラストレーターを起用したり、S-Fマガジンで特集を組んだり、これまでとは意気込みが違う。これは私としても応援しないわけにはいかない。ビブリオバトル等で紹介しまくって、一人でも多くの読者を開拓したいと考えている。

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