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2015.07.10

進歩と真実

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 宇宙英雄ローダン・シリーズ第500巻『テラナー』を読んだ。1990年7月刊『SFハンドブック』に「2024年5月に発売予定」として予告されていたものだ(*)。私がローダンを読み始めた時分(200巻の頃)にはこの話を読めるのは遠い未来のことのように思っていたので、ついにこの日が来たとは感慨深いものだ。
 第1000話「テラナー」は、プロット作家フォルツが満を持して手がけた話だけあって、実に良くできている。宇宙におけるテラナーの使命という、壮大なスケールでのヴィジョンが示される。ローダンと“それ”の過去話も明らかにされる。そしてこの話から人類の新たな時代がスタートする。
 1章はまるまるこれまでの999話分のあらすじに割いているので、新規参入者にとても親切な作りになっている。これまでローダンを読んだことのなかった人も、是非とも読んでみてほしい。
 生きているうちに読み終わる見込みのないシリーズなんて読みたくない、という人もいるだろう。その気持ちはよくわかる。でも、ここで逆転の発想はできないだろうか。どんなに面白い話でも、読み終わればそれでおしまいだ。残念なことである。しかし、ローダンは決して終わることがないのだ。どれだけ読んでも続きがある、決して読み終わらない物語というのは、ある意味本好きにとって一つの理想なのではないだろうか。この大きな節目を機会に読み始めれば、一生の宝となるに相違ない。

* 途中で刊行ペースが上がったために9年前倒しで刊行された。1979年以来コンスタントに年10冊ペースだったものを、2005年から12冊、2010年から24冊にスピードアップした。これで年48話となり、ドイツのペース(年52話強)に大分近づいたが、まだ少し足りない。なお、2008年は9月だけ2冊刊行されて年13冊だった。

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